下痢が止まらない時の対処法|受診の目安や危険のサインについて

「なんだかお腹の調子が悪い…」「トイレに駆け込む回数が多くて辛い…」

そんな経験、誰にでもあるのではないでしょうか?

下痢は、私たちにとって身近な症状の一つです。

たかが下痢と安易に考えて放置してしまうと、重大な病気のサインを見逃してしまう可能性もあります。

今回は、下痢が止まらない時の対処法や、病院を受診すべき危険なサインについて詳しく解説していきます。

ご自身の体の状態を把握し、適切な対処をするための参考にしていただければ幸いです。

下痢が止まらない時の対処法

下痢が止まらない時は、まずご自宅でできる対処法を試してみましょう。

ここでは、下痢の症状を和らげるための4つの方法をご紹介します。

水分補給を行う

下痢になると、体内の水分や電解質が失われやすくなります。

脱水症状を防ぐためにも、こまめな水分補給を心がけましょう。

水や経口補水液を飲むのがおすすめです。

飲むものが冷たすぎると胃腸に刺激が加わってしまうので、可能なら常温や微温湯がよいでしょう。

食事は消化に良いものを摂る

下痢の時は、胃腸に負担をかけない消化の良い食事を摂ることが大切です。

おかゆ、うどん、白身魚、豆腐など、刺激の少ないものを選びましょう。

脂っこいものや辛いものは避け、消化しやすいように調理方法にも気を配りましょう。

腹部を温めて安静にする

お腹を冷やすと、腸の動きが活発になり下痢が悪化することがあります。

腹巻やカイロなどで腹部を温め、体を休ませるようにしましょう。

下痢止め薬を服用する

市販の下痢止め薬を服用するのも有効な手段です。

ただし、下痢止め薬の中には、感染性の下痢に効果がないばかりか、症状を悪化させてしまうものもあります。

自己判断で服用せず、薬剤師に相談するか、医療機関を受診するようにしましょう。

下痢が止まらない時の危険なサイン

下痢は、比較的よくある症状ですが、中には注意が必要なケースもあります。

医療機関への受診を検討すべき危険なサインをご紹介します。

血便や黒色便

便に血が混じっていたり、黒っぽい便が出たりする場合は、消化管出血の可能性があります。

消化管出血は、胃潰瘍や大腸がんなどの重大な疾患が原因で起こることもあるため、早急に医療機関を受診しましょう。

38℃以上の高熱を伴う

高熱を伴う下痢は、感染性腸炎などの疑いがあります。

特に、発熱に加えて、嘔吐や腹痛などの症状がある場合は注意が必要です。

高熱のときは感染性腸炎や、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患が鑑別に挙げられます。

手術の後だと絞扼性腸閉塞(以前の絞扼性イレウス)も考える必要があります。

脱水症状に陥りやすいため、医療機関を受診し適切な治療を受けましょう。

激しい腹痛を伴う

下痢に伴い、激しい腹痛がある場合は、腸閉塞や虫垂炎などの可能性も考えられます。

我慢せずに、早めに医療機関を受診しましょう。

脱水症状

下痢によって、体内の水分や電解質が失われると、脱水症状に陥ることがあります。

脱水症状になると、めまいやふらつき、意識障害などを引き起こす可能性があります。

口の渇き、尿量の減少、皮膚の乾燥など、脱水症状のサインが見られたら、医療機関を受診しましょう。

脱水の症状が軽微であれば水分補給とミネラル補給で対応できますが、症状が悪化したり改善の見込みが無さそうであれば医療機関を受診しましょう。

【注意】止めてはいけない下痢がある!

下痢を早く止めたい一心で、すぐに下痢止め薬を服用してしまう方もいるかもしれません。

しかし、感染性の下痢の場合、下痢止め薬を服用すると、体外に排出されるべき病原菌やウイルスが腸内に留まってしまい、症状が悪化することがあります。

感染性の下痢は、ウイルスや細菌、寄生虫などが原因で起こる下痢です。

主な感染性の下痢には、次のようなものがあります。

  • ウイルス性腸炎
    ノロウイルスやロタウイルスなどによる感染性腸炎は、嘔吐や発熱を伴う激しい下痢を引き起こします。特に乳幼児や高齢者は重症化しやすいため注意が必要です。
  • 細菌性腸炎
    食中毒によるサルモネラ菌や腸管出血性大腸菌O157など、細菌が原因で起こる腸炎です。血便(便に血が混じっている状態)や激しい腹痛を伴うことがあります。
  • 寄生虫による腸炎
    海外渡航などで、ジアルジアやアメーバなどの寄生虫に感染することで起こる腸炎です。慢性的な下痢や体重減少などの症状が現れることがあります。

感染性の下痢が疑われる場合は、下痢止め薬を服用せずに、医療機関を受診するようにしましょう。

感染性の下痢の治療では、原因となる病原菌やウイルスを特定し、適切な薬を処方することが重要です。

また、脱水症状を防ぐために、水分補給をしっかりと行うことも大切です。

下痢が止まらない場合の受診の目安

下痢は、多くの場合、一過性の症状で自然に治まります。

しかし、症状が長引いたり、悪化したりする場合は、医療機関への受診を検討しましょう。

特に、次のような場合は、早めに受診することをおすすめします。

  • 下痢が3日以上続く
  • 水のような下痢が続く
  • 脱水症状がある
  • 血便や黒色便が出る
  • 高熱が出る
  • 激しい腹痛がある
  • 意識がもうろうとする

これらの症状が見られる場合は、自己判断で対処せずに、医療機関を受診し適切な検査や治療を受けましょう。

下痢の原因は様々です。

医療機関では、問診や診察、便検査などを行い、原因を特定します。

原因に応じて、適切な薬が処方されたり、食事指導や生活習慣の改善などのアドバイスを受けたりすることができます。

下痢が止まらない時はオンライン診療を活用しよう!

下痢が止まらない時、医療機関を受診したいと思っても、

  • 「症状が辛くて、なかなか家から出られない…」
  • 「病院に行く時間がない…」

といった悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そんな時は、オンライン診療の活用がおすすめです。

オンライン診療とは、スマートフォンやパソコンを使って、自宅にいながら医師の診察を受けられるサービスです。

オンラインメディカルクリニックでも、オンライン診療に対応しています。

オンライン診療であれば、移動の負担なく、自宅で診察を受けられるため、下痢で体調が悪い時でも安心です。

また、診察後には薬の宅配サービスを利用することもできます。

そのため、下痢が止まらなくて外出が難しい場合でも、薬を自宅で受け取ることができ、大変便利です。

オンライン診療は、待ち時間の短縮にもつながります。

従来の病院のように、待合室で長時間待つ必要がなく、自分の順番になったら医師から連絡が来るため、時間を有効活用できます。

ただし、日本医学会連合の提言では、強い腹痛や吐血、血便を伴う下痢の場合、オンライン診療は不適切とされています。

これらの症状がある場合は、医療機関を受診するようにしましょう。

オンラインメディカルクリニックでは、経験豊富な医師が、丁寧な診察とわかりやすい説明を心がけています。

下痢の症状でお悩みの方は、ぜひお気軽にオンラインメディカルクリニックにご相談ください。

まとめ

今回は、下痢が止まらない時の対処法や受診の目安について解説しました。

下痢は、多くの人が経験する身近な症状ですが、放置すると脱水症状や重篤な疾患につながる可能性もあります。

ご自宅でできる対処法を試したり、危険なサインを把握したりすることで、適切に対処しましょう。

オンライン診療も、下痢の際に役立つ有効な手段の一つです。

ご自身の症状や状況に合わせて、適切な方法で医療機関に相談するようにしましょう。

監修医

島村泰輝

  • 2012年3月 名古屋市立大学医学部 卒業
  • 2014年4月 名古屋市立大学放射線科 入職
  • 2015年4月 名古屋市立大学大学院博士課程入学 (専攻:生体防御・総合医学分野)
  • 2019年3月 同大学院卒業、博士号取得
  • 2019年6月 株式会社エムネス 入職
  • 2022年10月 同 Medical Professional Service(医師部門)副本部長
  • 2023年7月 オンラインメディカルクリニック開業

愛知県名古屋市出身。遠隔放射線画像診断を行う傍ら、AI開発、メディカル用プロダクト開発を行う。

医療としてはその他にも内科診療、訪問診療にも従事。医療はITでさらに良くなる事を信条として様々な取り組みを行う。

物理的、時間的に医療が届きにくい層に対して医療を届けるべくオンライン診療を中心としたクリニックを開業。今後は各種専門家とともに、遠隔地であっても質の高い医療を提供するサービスを構築していく。

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