「なんだか最近、体が重だるい」「むくみが気になる」「頭がスッキリしない」… そんな不調を感じていませんか?
これらの症状、もしかしたら体内の水分バランスが乱れていることが原因かもしれません。
東洋医学では体内の水分代謝のバランスが崩れることで様々な不調が起こると考えられており、これを「水毒」と呼びます。
水毒はむくみだけでなく、頭痛、めまい、吐き気など、一見関係のないように思える様々な症状を引き起こす原因となります。
そこで今回はそんな水毒に効果的な漢方薬「五苓散」について詳しく解説していきます。
五苓散は中国の後漢時代にまとめられた医学書「傷寒論」に初めて記載された、歴史のある漢方薬です。
体内の水分バランスを整えることで様々な症状に効果を発揮するのが特徴です。
このブログでは五苓散の効果や飲み方、注意点などを詳しく解説していきますのでぜひ最後までお読みください。
五苓散に含まれる生薬
五苓散は、以下の5種類の生薬から構成されています。
- 猪苓
- 沢瀉
- 茯苓
- 蒼朮
- 桂皮
傷寒論では五苓散は「太陽病発汗後、大熱不解、口渴煩躁、小便不利者」に用いるとされています。
これは風邪をひいて熱が出て、汗をたくさんかいた後に、強い熱が下がらなくて、口が渇き、イライラして、尿の出が悪いような状態を指します。
これらの生薬はそれぞれに利尿作用や健胃作用、発汗作用などを持ちますが、五苓散として配合されることで相乗効果を発揮し、体内の水分代謝を促進します。
具体的には、
猪苓と沢瀉は体内の余分な水分を尿として排出する働きを助けます。
茯苓は尿の生成を促すとともに、胃腸の働きを整え、水分の吸収と排泄のバランスを調整します。
蒼朮は胃腸の働きを強化し、水分代謝を促進することで、むくみや水滞を改善します。
桂皮は体を温め血行を促進することで、水分の循環を促します。
このように五苓散は体内の水分代謝を調整し、水分の偏りを解消することで様々な症状を改善することを目的としています。
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五苓散はどんな症状に効果がある?
五苓散は体内の水分代謝を調整することで、以下のような様々な症状に効果を発揮します。
頭と体
- むくみ: 顔や手足、全身のむくみを改善します。特に、夕方になると足がむくむ、指輪がきつくなる、まぶたが腫れぼったいなど、水分の滞りによるむくみに効果的です。
- 頭痛: 水毒による頭痛、二日酔いによる頭痛、低気圧による頭痛、月経に伴う頭痛などを改善します。ズキズキとした痛みや、頭重感、吐き気を伴う頭痛に効果が期待できます。
- めまい・耳鳴り: 水毒によるめまい、耳鳴りを改善します。ぐるぐる回るようなめまいや、耳の奥で音がする、耳が詰まった感じがするなどの症状に効果的です。
消化器
- 二日酔い: アルコールによる脱水症状を改善し吐き気や頭痛を軽減します。また、胃腸の不快感や食欲不振にも効果が期待できます。
- 急性胃腸炎: 下痢や嘔吐などの症状を改善します。特に、水のような下痢や、吐き気、腹痛を伴う急性胃腸炎に効果的です。
- 吐き気: 乗り物酔い、つわり、二日酔いなどによる吐き気を抑えます。
その他
- 暑気あたり: 熱中症の予防や改善に役立ちます。
- 口の渇き: 口腔乾燥症などに伴う口の渇きを潤します。
- 尿量減少: 頻尿や残尿感を改善します。
五苓散が効果を発揮するメカニズム
五苓散は、体内の水分代謝を調整することで効果を発揮します。
漢方医学では体内の水分代謝のバランスが崩れることで様々な不調が起こると考えられています。
この水分代謝のバランスの乱れを「水毒」といい、むくみや頭痛、めまい、吐き気など、様々な症状を引き起こす原因となります。
五苓散は利尿作用のある生薬を配合することで、体内の余分な水分を排出(利水作用)し水毒を改善することでこれらの症状を和らげます。
また、五苓散はアクアポリンという、細胞膜に存在する水チャネルの働きを阻害することで水分の移動を調整し、むくみを改善する効果も確認されています。
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五苓散を服用するときの注意点
五苓散は一般的に安全性の高い漢方薬ですが、服用する際には以下の点に注意が必要です。
- 剤形: 錠剤、散剤、顆粒など、様々な剤形で販売されています。ご自身のライフスタイルや好みに合わせて、適切な剤形を選びましょう。
- 副作用: まれに、発疹、かゆみ、吐き気、下痢などの副作用が現れることがあります。
- 服用できない場合: 妊娠中の方、腎臓病の方 、生後3ヶ月未満の乳児などは、服用前に医師に相談する必要があります。
- 服用前に相談が必要な場合: 持病のある方、他の薬を服用中の方などは、服用前に医師または薬剤師に相談する必要があります。
- 他の薬・アルコールとの飲み合わせ: 他の薬やアルコールとの飲み合わせによっては、効果が減弱したり、副作用のリスクが高まったりする可能性があります。
五苓散は毎日飲んでも大丈夫?
五苓散は症状や体質に合わせて服用期間が異なります。
一般的には、症状が改善するまで服用を続けることが推奨されます。
長期服用も可能ですが、体質や症状は変化することがありますので、医師や漢方薬剤師に相談しながら服用を続けることをおすすめします。
五苓散を飲むのに適したタイミング
- 一般的なタイミング: 食前または食間(食後2~3時間後)に服用するのが一般的です。
- 飲み忘れた場合: 思い出したときにすぐに服用してください。ただし、次の服用時間が近い場合は、1回分を飛ばして、次の時間に服用してください。
- 二日酔いの場合: 二日酔いの症状が現れたら、できるだけ早く服用してください。
- 飲み方:どのような飲み方でも良いですが、顆粒タイプであればぬるま湯に溶かして飲むのも効果的です。
五苓散と相性の良い漢方薬
五苓散は単独で用いられることが多いですが、他の漢方薬と併用することでより効果が高まる場合があります。
例えば冷えが強い方には、体を温める効果のある「真武湯」や「苓桂朮甘湯」との併用を行うことがあります。
また、胃腸の働きが弱い方には、「六君子湯」や「小建中湯」との併用を検討します。
ただし漢方薬の組み合わせは体質や症状によって異なりますので、自己判断で併用せずに必ず医師または薬剤師に相談してください。
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- 安心のサポート: 服用中の疑問や不安にも丁寧にお答えします。
まとめ
五苓散はむくみや頭痛、二日酔いなど、様々な症状に効果が期待できる漢方薬です。
ご自身の症状に合わせて正しく服用することで、健康な毎日を送るためのお手伝いができるでしょう。
体質や症状によっては五苓散が適さない場合もあります。
ご自身の健康状態と向き合いながら、五苓散を有効活用するためにも、まずは医師または薬剤師にご相談することをおすすめします。
もしあなたが上記のような症状でお悩みでしたら、ぜひ一度オンラインメディカルクリニックにご相談ください。
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