
低気圧が近づくと頭が重く痛む…そんな経験はありませんか?
雨の日や台風の前後に体調を崩す症状は「気象病」や「天気痛」とも呼ばれ、その中でも特に多いのが頭痛です。
本記事では、低気圧による頭痛の原因と対策について、漢方を中心にわかりやすく解説します。
さらに、痛み止めやコーヒーの効果、頭痛以外の不調への対処法、そして病院を受診するタイミングやオンライン診療の活用についても紹介します。ぜひ参考にしてください。
低気圧による頭痛が起こる原因
低気圧が近づくと体に様々な変化が起こり、それが頭痛の引き金になります。主な原因の一つは自律神経の乱れです。
耳の奥の内耳には気圧の変化を感知するセンサーがあり、気圧が下がるとこのセンサーを通じて脳に情報が伝わります。
気圧変化は体にとってストレスになるため、自律神経(交感神経)が過剰に反応し、頭痛やめまい、肩こりなど様々な不調につながると考えられています。
もう一つの原因は血管の反応です。気圧が低下すると体外の圧力も下がるため、相対的に脳内の血管が拡張しやすくなります。
この血管拡張が周囲の神経を刺激し、頭痛を誘発します。
特に脳を覆う硬膜の血管が拡がると、そこを走る三叉神経が興奮して痛み物質が放出され、さらに血管拡張が進むという悪循環に陥り、ズキズキと脈打つような強い頭痛が起こります。
いわゆる片頭痛(偏頭痛)のメカニズムですが、気圧や天候の変化がこの片頭痛の誘因になりやすいことが知られています。
このように気圧の変化による自律神経の乱れと血管拡張が重なり合って、低気圧時に頭痛が生じると考えられます。
また、気圧変化に伴い体内の水分バランスが乱れることも原因の一つです。
体に余分な水分が溜まるとむくみや頭重感につながり、これが不調を引き起こすことがあります。
漢方医学では、この「水分代謝の乱れ」が気象病の根本原因であるとも考えられています。
次章からは、こうした低気圧頭痛への具体的な対策法を見ていきましょう。
関連記事:ストレスによる頭痛の原因と対策|セルフケアや薬で解消する方法
低気圧による頭痛の対策法
低気圧による頭痛は根本的に気象そのものを変えることはできませんが、日頃の工夫で予防・軽減することが可能です。
ここでは生活習慣やセルフケアの観点から、有効な対策を5つ紹介します。どれも今日から実践できる内容なので、ぜひ試してみてください。
1. 生活習慣の見直し
まず基本となるのは生活リズムを整えることです。気圧変化で乱れがちな自律神経は、規則正しい生活習慣を送ることで整えやすくなります。
例えば、朝はしっかり日光を浴びる習慣をつけましょう。
朝起きてカーテンを開け、太陽の光を浴びることで体内時計がリセットされ、自律神経のバランスが整いやすくなります。
夜更かしや不規則な睡眠は自律神経を乱す大きな要因ですので、なるべく決まった時間に就寝・起床し、睡眠の質を上げる工夫をしてみてください。
また、食事やストレス管理も重要です。
血糖値の急激な上下動は自律神経に負担をかけますので、暴飲暴食を避けてバランスの良い食事を心がけましょう。
カフェインやアルコールの過剰摂取も体調を不安定にしやすいため適度に控えてください。
リラックスできる時間を作り、入浴や軽いストレッチなどで身体をほぐすのも自律神経を安定させるのに役立ちます。
規則正しい生活と心身のリラックスが、低気圧に負けない体作りの基本です。
2. 適度な運動
適度な運動習慣は血行を促進し、自律神経の安定化に大きな効果があります。
運動により全身の血流が良くなると、頭部の鬱血感やコリが軽減し、頭痛が起こりにくくなります。
また運動はストレス発散にもなり、交感神経と副交感神経のバランス改善につながります。
激しい運動である必要はありません。軽い有酸素運動を日常に取り入れてみましょう。
例えば朝の散歩や通勤時に一駅分歩く、寝る前のストレッチなどがおすすめです。
ウォーキングやヨガ、軽いジョギングなど自分が心地よく続けられる範囲で構いません。
ポイントは「継続すること」です。毎日20~30分程度でも体を動かす習慣をつけることで、ストレスに強い体質づくりが期待できます。
運動後は眠りの質も向上し、自律神経のリズムも整いやすくなるでしょう。
3. 耳のマッサージ
低気圧頭痛に悩む人には、耳周りの血行を良くするマッサージが有効だと言われています。
内耳の血流を促すことで気圧センサーの働きを安定させ、自律神経の乱れを和らげる効果が期待できます。
耳は自宅や職場でも手軽に刺激できる部位なので、頭痛予防のセルフケアとしてぜひ取り入れてみてください。
一つ例に挙げると「くるくる耳マッサージ」と呼ばれる方法です。
気圧が下がってきて頭が重いと感じたときや、天気予報で低気圧接近を知ったときに行ってみましょう。
具体的な手順は次の通りです。
- 耳を上に引っぱる: 右手で右耳の上部、左手で左耳の上部をつかみ、5秒かけてゆっくり上に引っぱります。
- 耳を外に引っぱる: 同様に耳の真ん中(中央部)を持って外側に、耳たぶ(下部)を持って下方向に5秒ずつ引っぱります。
- 耳を回す: 耳全体を外側に軽く引っぱったまま、前から後ろへ円を描くようにゆっくり5回まわします。
- 耳を折りたたむ: 耳の上部と下部を折り曲げるようにして耳穴をふさぎ、その状態で5秒キープします。
- 耳をこする: 最後に両手のひらでそれぞれの耳を包み込み、前から後ろへ円を描くように5回さすります。
これらの動作によって耳周辺の血行が促進され、内耳のリンパ液の流れもスムーズになるとされています。
耳やこめかみ周りがポカポカと温かくなれば効果が出ているサインです。マッサージは痛みが出る前、予防的に行うのがポイントになります。
朝昼晩の1日3回を目安に、無理のない範囲で続けてみてください。
4. 頭痛日記をつける
頭痛持ちの方にぜひ実践していただきたいのが、頭痛日記(頭痛ダイアリー)をつけることです。
頭痛が起きた日時や天気、気温、気圧、前兆症状、その日の体調・行動などを記録していくと、自分の頭痛パターンが見えてくることがあります。
例えば「低気圧が接近すると必ず夕方に頭痛がする」「雨の翌日に症状が出やすい」など、人それぞれに特徴があるものです。
日記をつけていると、「頭痛の予兆」がある程度立てられるようになるかもしれません。
天気予報で今後の気圧変化をチェックし、「明後日は台風接近で気圧が大きく下がりそうだから注意しよう」と事前に心構えができます。
頭痛が起きそうな日がわかれば、外出や重要な予定を調整したり、早めに薬を飲んだりとセルフコントロールがしやすくなります。
実際に頭痛学会でも頭痛日記の活用は推奨されています。
スマートフォン向けの頭痛記録アプリ(例:「頭痛ーる」など)も便利ですので、自分の体調と気圧の関係を把握するツールとして活用してみましょう。
5. 水分補給を意識する
水分をこまめに補給することも低気圧時の体調管理で重要なポイントです。
一見、低気圧不調は「水分が体に溜まる」ことが原因なので、水を摂りすぎない方が良いようにも思えます。しかし実際には、脱水状態も頭痛を招きます。
体が乾燥すると血液の粘度が高くなり、血管の調節が乱れて頭痛が起こりやすくなるのです。
特に夏場や暖房で室内が乾燥しがちな冬場は、知らず知らずのうちに水分不足になっていることがあります。
「喉が渇いた」と感じる前に、意識して水分を摂るようにしましょう。水や白湯、ハーブティーなどノンカフェインの飲み物がおすすめです。
冷たい飲み物ばかりよりも、体を冷やさない温かい飲み物が良いでしょう。
一度に大量に飲む必要はありません。500mlのペットボトルなら半日~1日かけて少しずつ飲むくらいのペースで十分です。
脱水を防ぎ血液の巡りを良く保つことで、低気圧時の頭痛リスクを下げることが期待できます。
なお、漢方の視点では利尿作用のある飲み物(麦茶、ハトムギ茶、ハブ茶など)で余分な水を排出するのも良いとされています。
適度な水分補給と発汗・利尿による水分代謝のバランスをとることが大切です。
低気圧による頭痛に痛み止めは有効?
つらい頭痛が起きてしまったとき、鎮痛剤(痛み止め)は症状緩和に有効です。
無理に我慢するより、適切に薬を使う方が結果的に体への負担を減らせる場合もあります。
ここでは一般的な頭痛薬である「アセトアミノフェン」と「NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)」、そして低気圧頭痛によく使われる漢方薬について解説します。
鎮痛剤
アセトアミノフェン
アセトアミノフェンは頭痛薬の中でも体に優しい成分として知られています。
脳内に直接作用するか、または代謝物を介して痛みを抑え、熱を下げる効果があります。
最大の特長は副作用の少なさで、幼児から妊婦さん、高齢者まで幅広い人に使用できる安全性の高い薬です。
胃腸への刺激が少なく、空腹時でも比較的飲みやすい点もメリットと言えます。
ただし、効果の強さはマイルドで即効性はやや劣ります。
ひどい片頭痛を一発で鎮めるほどではありませんが、低気圧で軽い頭痛が出てきたときに早めに服用すると悪化を防ぐのに役立ちます。
市販薬では「タイレノールA®」や「ノーシンピュア®」などにアセトアミノフェンが含まれています。
注意点
用法用量を守ることが大前提です。安全な薬とはいえ、高用量を長期間連用すると肝臓に負担がかかる恐れがあります。
特にお酒を飲む習慣がある人は、過剰な服用は避けてください。
また、他の風邪薬や鎮痛剤にもアセトアミノフェンが入っていることがあるため、重複に注意しましょう。
NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)
NSAIDs(エヌセイズ)は鎮痛剤の代表格で、頭痛薬としても広く使われる種類です。
非ステロイド性抗炎症薬とも呼ばれ、その名の通り炎症を抑える作用も持ちます。
具体的には、痛みや炎症を引き起こす物質「プロスタグランジン」の産生を阻害することで、鎮痛・抗炎症・解熱効果を発揮します。
代表的なNSAIDsには、イブプロフェン(市販薬では「イブ®」など)、ロキソプロフェン(「ロキソニン®」など)、アスピリン(「バファリンA®」など)といった成分があります。
これらはアセトアミノフェンよりも痛みを抑える力が強く即効性も期待できます。
低気圧による片頭痛が酷い場合や、吐き気を伴うようなときにはNSAIDsの方がしっかり効いて楽になるでしょう。
注意点: NSAIDsは効果が強い反面、副作用に注意が必要です。
作用機序の関係で、胃腸の粘膜を荒らしたり腎臓の機能に負担をかけたりすることがあります。
そのため、空腹時の服用は避け、胃に優しい薬と一緒に処方されたりすることもあります。
また、喘息をお持ちの方はNSAIDsで誘発されるNSAIDs喘息という症状が稀にありますので、医師と相談の上使用してください。
鎮痛剤はいずれも「痛みがひどくなる前に早めに飲む」方が効果的です。
低気圧頭痛は予測しやすい面もありますから、「来そうだな」と感じた段階でアセトアミノフェンやNSAIDsを適切に使うと良いでしょう。
ただし頻繁に使用しすぎると薬物乱用頭痛(薬の飲みすぎで起こる慢性頭痛)の原因になるため、月に何十回も乱用しないようご注意ください。
漢方
低気圧が原因の頭痛や不調に対しては、漢方薬による体質改善も一つの選択肢です。
西洋医学の頭痛薬が「そのときの痛みを抑える対症療法」だとすると、漢方薬は「不調が起こりにくい体質に整える根本治療」に近いイメージです。
漢方の考えでは、気圧の変化で生じる頭痛は「水分代謝の失調」によるものとされています。
そこで、体内の余分な水分をさばき、循環を良くする漢方薬を服用することで症状の予防・改善を図ります。
低気圧頭痛によく使われる代表的な漢方薬として、五苓散(ごれいさん)と苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)があります。
それぞれの特徴を紹介しましょう。
五苓散(ごれいさん)
五苓散(ごれいさん)は低気圧不調の特効薬とも言われ、頭痛以外にもめまいやむくみ、下痢など「水分バランスの乱れ」による症状によく用いられる漢方薬です。
猪苓(ちょれい)、茯苓(ぶくりょう)、沢瀉(たくしゃ)、白朮(びゃくじゅつ)、桂皮(けいひ)という5種類の生薬から成り、利尿作用によって体内の余分な水を排出する働きがあります。
最近の研究では、水の通り道であるアクアポリンに作用して体内の水移動を調節する作用も確認されています。
まさに漢方的に言う「水滞(すいたい)」を取り除く処方と言えるでしょう。
五苓散は効果が高く、人によっては即効性も期待できるのが利点です。
基本的には毎日服用して体質改善を図りますが、頭痛が出そうなときに頓服(とんぷく)的に飲むことも可能とされています。
偏頭痛や緊張型頭痛など、頭痛全般に幅広く用いられる処方でもあります。
「どんな人に五苓散が合うか」という目安としては、低気圧で頭痛やめまいを起こしやすく、喉が渇くのに尿量が少ない、全身がむくみがちという傾向の方です。
逆に冷え症で虚弱な方にはあまり効果が期待できない場合もあります。市販の漢方薬では、小林製薬の「テイラック®」など五苓散を主成分とした商品も発売されています。
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)は、めまいやふらつきを伴うタイプの頭痛に用いられることが多い漢方薬です。
名称が示す通り茯苓(ぶくりょう)、桂皮(けいひ)、白朮(びゃくじゅつ)、甘草(かんぞう)の4つの生薬で構成されています。
五苓散と生薬が一部似ていますが、こちらには甘草が含まれるのが特徴です。
苓桂朮甘湯は気(エネルギー)の巡りを改善し、余分な水分を取り除くことで、自律神経の不調からくる頭痛やめまいを和らげる作用があります。
具体的には、茯苓が水の巡りを整えつつ精神安定にも寄与し、白朮が利尿で水を捌き、桂皮が体を温めて血行を促進し、甘草がイライラや緊張を鎮める――といった具合です。
そのため低気圧による気分の落ち込みや不安感など精神面の症状改善にも効果が期待できます。
苓桂朮甘湯は、五苓散ほど明確なむくみがない人や、冷え性傾向で体力中等度以下の人に向いているとされます。
特に「朝方に不調が強い」タイプのめまい・頭痛持ちの方に合うことが多いようです。
五苓散と同様に医療機関でも処方されますし、市販の漢方薬でもラインナップされています。
なお、漢方薬を併用する際は注意点もあります。
複数の漢方薬を自己判断で併用すると、生薬の重複により副作用(例えば甘草の重複による偽アルドステロン症など)が起こる可能性があります。
漢方だからといって漫然と飲まず、専門家に相談して自分に合った処方を選ぶようにしましょう。
漢方薬は即効性よりも体質改善重視ですので、「最近低気圧で不調が多いな」という方は早めに漢方治療を開始し、継続して服用するのがおすすめです。
五苓散や苓桂朮甘湯以外にも、半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)や当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)など気象病対策に用いられる処方はいくつもあります。
自分に合う漢方が知りたい場合は、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談してみると良いでしょう。
関連記事:寒暖差アレルギーで咳が止まらない原因とは?セルフチェックと治療薬で対策
低気圧による頭痛にコーヒーは効果がある?
「頭が痛いときはコーヒーがいい」という話を耳にしたことがあるかもしれません。これは半分本当で、半分注意が必要です。
コーヒーに含まれるカフェインには頭痛を緩和する作用が期待できます。
カフェインには血管を収縮させる働きがあり、拡張した血管が神経を刺激して起こる頭痛(片頭痛タイプ)には有効と考えられています。
実際、一部の頭痛薬(例えば「イブ®」や「バファリン®」の一部製品)にはカフェインが添加されており、鎮痛効果を高める目的があります。
低気圧でなんとなく頭が重いときに、温かいコーヒーを一杯飲むと「スッと痛みが和らいだ」という方もいるようです。
しかし、人によってはコーヒーを飲むと逆に症状が悪化したり、別の不調が出ることもあります。
カフェインには利尿作用もあるため、飲み過ぎると脱水傾向になって頭痛を招く恐れがありますし、敏感な方では動悸がしたり胃が痛くなったりする可能性もあります。
また日常的にカフェインをたくさん摂っていると、摂取をやめたときにカフェイン離脱症状で頭痛が起こることも知られています。
コーヒーで頭痛改善を試みる場合は、1日1~2杯程度の適量に留め、夕方以降は睡眠に影響しないよう控えるのが無難です。
まとめると、コーヒーは上手に使えば低気圧頭痛の緩和に役立つ可能性があるものの、万能薬ではありません。
カフェインが効いている実感があるならば、ひとつの対策として取り入れてみても良いでしょう。
ただし効き目には個人差が大きいので、自分の体調と相談しながら取り入れてください。
なお、カフェイン以外にも緑茶やココア、チョコレートにもカフェインが含まれます。
コーヒーが苦手な方はこうした食品で代用することもできます。
くれぐれも飲み過ぎには注意しつつ、「お守り代わり」の一杯として賢く付き合いましょう。
頭痛以外の低気圧による体の不調
低気圧がもたらす不調は頭痛だけではありません。気圧の変化に敏感な方は、全身に様々な症状が現れることがあります。
代表的なものをリストアップしてみましょう。
- だるさ・倦怠感: 身体が重く疲れやすい感じがします。やる気が出ない、朝起きられないといった症状も含まれます。
- めまい・ふらつき: 立ちくらみや雲の上を歩いているような不安定感。ひどい場合は吐き気を伴うこともあります。
- 耳鳴り・耳の不快感: 「キーン」という耳鳴りや、耳が詰まった感じ(耳閉感)が起こることがあります。気圧変化で内耳の圧が変わる影響です。
- むくみ: 手足や顔がむくんだり、靴がきつく感じたりします。朝起きたときにまぶたが腫れる人も。余分な水分が滞るためです。
- 古傷の痛み・関節痛: 以前けがをした場所や、膝・腰・手首など関節に痛みが出ます。気圧低下で組織が膨張し神経を刺激するためと考えられます。
- 首や肩のこり・痛み: 気圧変化で交感神経が高ぶると筋肉が緊張し、首肩のこわばりや痛みが生じます。頭痛とセットで訴える人も多い症状です。
- 全身の痛み: 筋肉や関節など体中がなんとなく痛い、重いという人もいます。線維筋痛症のような慢性痛持ちの方は天候で増悪しやすいです。
- 動悸・不整脈: 心臓がドキドキする、脈が飛ぶ感じがすることも報告されています。自律神経の乱れで心拍コントロールが影響を受けるためです。
- 気分の落ち込み: 憂うつ、不安感、イライラなどメンタル面の不調も見逃せません。低気圧時は交感神経が優位になりセロトニン分泌が乱れることが一因と考えられます。
以上のように、低気圧不調の症状は多岐にわたります。
人によって「めまいが主症状のタイプ」「胃腸にくるタイプ」「メンタルにくるタイプ」など様々ですが、共通して言えるのは自律神経の乱れが関与しているということです。
複数の症状が同時に出ることも珍しくありません。
もし頭痛以外にもこれらの症状がみられる場合、「気のせいかな?」と我慢しすぎずに対策をとることが大切です。
例えば、めまいや耳鳴りがひどいときは安静にして耳マッサージをする、水分代謝が悪いと感じたら利尿作用のあるお茶を飲んでみる、気分が落ち込むときはしっかり睡眠をとる・相談相手を見つける、など症状に応じたケアをしてみましょう。
低気圧による頭痛で病院へ受診するタイミング
「天気のせいだから仕方ない」と思っていても、日常生活に支障が出るほど症状が重かったり、不安が強かったりする場合は医療機関を受診することも検討しましょう。
特に、突然今までにない激しい頭痛に襲われたり、頭痛が何日も続いて全く良くならない場合は、重大な病気が隠れている可能性もあります。
こうした場合は躊躇せず頭痛専門医や脳神経内科を早急に受診することをお勧めします。
では、低気圧が原因と思われる頭痛や不調で受診する場合、何科が適切でしょうか?
症状や地域の医療体制にもよりますが、以下のような選択肢があります。
- 頭痛外来: 頭痛診療を専門に掲げている外来です。頭痛専門医が在籍し、片頭痛なのか緊張型なのか、気象病なのかを的確に診断して治療法を提案してくれます。お近くに頭痛外来がある場合はまず相談してみると良いでしょう。
- 神経内科: 自律神経の乱れや片頭痛が疑われる場合は神経内科が適しています。必要に応じてMRIなどの検査で他の疾患(脳腫瘍や血管の異常など)がないか確認してくれます。
- 脳神経外科: 脳神経外科でも頭痛診療を行っています(脳神経内科と脳神経外科、どちらでも対応可)。「脳神経外科=手術」のイメージがあるかもしれませんが、頭痛外来を設置している病院も多いです。
- 耳鼻咽喉科: めまいや耳鳴りが強い場合、内耳の異常がないか耳鼻科で調べてもらうのも一法です。メニエール病など、内耳疾患が潜んでいるケースもまれにあります。
一般的には脳神経内科や頭痛外来を起点に相談し、必要に応じて耳鼻科など他科と連携しながら診てもらうと良いでしょう。
最近では「気象病外来」や「天気痛外来」を掲げるクリニックも登場しています。
問診の際には、気圧の変化で症状が出ることや頭痛日記の内容を伝えるとスムーズです。
受診の目安として、以下のような場合は医師に相談してください。
- 市販薬では抑えられない頭痛が頻発する(月に何度も寝込む、仕事や家事に支障が出る)。
- 頭痛以外の症状も強く出てつらい(めまいで立てない、吐いてしまうなど)。
- 症状が年々ひどくなっている、もしくはこれまでと様子が違う頭痛が出てきた。
- 不安で精神的に参ってしまっている(「また痛くなるのでは」と怯えてしまう、うつ気味になっている)。
こうした場合、適切な治療で症状が和らぐ可能性があります。我慢しすぎず、専門家の力を借りましょう。
病院では、頭痛薬の他にめまい止めや吐き気止め、場合によってはその他必要な薬を組み合わせて治療してくれます。
また、生活面の指導や今後の天気痛予防プランも立ててくれるでしょう。
低気圧の不調はオンラインメディカルクリニックにご相談ください
低気圧による頭痛や不調はつらいものですが、忙しくて病院に行けなかったり、天気が悪い中わざわざ外出するのは大変…という方も多いと思います。
そんなときに活用したいのがオンライン診療です。
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天候が悪く体調も優れない中、無理に通院しなくても画面越しに医師と話すことができます。
移動の負担や待ち時間もなく、リラックスした環境で受診できるので、「話しやすい」「色々質問しやすい」と感じる患者様も多いです。
当クリニックには漢方薬剤師も在籍しており、五苓散や苓桂朮甘湯をはじめとする漢方薬の処方も可能です。
もちろん必要に応じて西洋薬の頭痛薬や吐き気止め等も処方いたします。
オンラインで処方せんを発行し、ご自宅近くの薬局でお薬を受け取ることができます。(薬を宅配することも可能です)
「低気圧頭痛かもしれないけど、この程度で受診していいのかな…」という軽めのお悩みでも大丈夫です。
専門知識を持った医師が丁寧にお話をうかがい、適切なアドバイスをいたします。
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対面診療と比べて費用面の負担も少なく、保険診療で対応していますので安心です。(通信料等はご負担いただきます)
プライバシーにも配慮されたシステムを利用していますので、デリケートな相談も周りを気にせずお話しいただけます。
「低気圧が来るたび憂うつ…」そんな方はぜひ一度オンラインメディカルクリニックにご相談ください。
私たちと一緒に、天気に負けない快適な日常を取り戻しましょう。
まとめ
雨の前に起こる頭痛や体調不良は、決して気のせいではなく気圧変化による確かな生体反応です。
低気圧による頭痛のメカニズムには、自律神経の乱れや血管の拡張、体内水分バランスの変化が関与していました。
こうした仕組みを理解することで、適切な対策を講じることができます。
まずは生活習慣を整え、適度な運動や耳のマッサージ、頭痛日記、水分補給などのセルフケアで予防に努めましょう。
痛みが出てしまったら無理せず鎮痛剤を使用し、それでもつらいときは五苓散などの漢方薬を取り入れてみるのも一つの手です。
コーヒーのカフェインもうまく使えば助けになりますが、過信は禁物で、あくまで補助的に活用してください。
頭痛以外にもめまいやだるさなど色々な不調が出る場合、自分だけで抱え込まず必要なら専門医に相談しましょう。
突然の激しい頭痛やいつもと違う症状を感じたら、早めに医療機関を受診して安全を確認することが大事です。
幸い、最近は気象病に理解のある医師も増えており、頭痛外来やオンライン診療など相談の場が広がっています。
最後に、低気圧は逃げられませんが対策次第で怖くありません。天気予報と上手に付き合いながら、漢方も取り入れつつセルフケアを継続していけば、「雨の日でも平気!」という日を増やしていけるでしょう。
あなたの不調が少しでも和らぎ、雨の日を憂うつに感じないで過ごせるようになることを願っています。
気になる症状があれば、おひとりで悩まずに専門家の力を借りてください。
オンラインメディカルクリニックも、皆様の健康な毎日をサポートするお手伝いをいたします。
一緒に低気圧不調を乗り越えていきましょう。お大事にしてください。